辻 私たちが開発した笑顔検知アプリ「スマイラル」を活用したプロジェクトです。スマイラルを入れたカメラ端末(iPhone、iPad)を北広島町内の公立保育所と公共・商業施設に設置し、人工知能(AI)によって笑顔を検知、カウントして「1笑顔=1円」を町が指定した団体に寄付します。スマイラルが取得するデータは笑顔の数や発生時刻、場所、笑顔率などで、子どもたちを撮影する保育所を除き個人情報は一切含みません。町民の皆さまはプライバシーの侵害を心配することなく、ご自身の笑顔を寄付につなげることができます。
森川 カメラ端末は北広島町内の、南方保育所▽本地保育所▽北広島町役場本庁▽千代田サンクスショッピングセンター▽NPO法人西中国山地自然史研究会-の計5カ所に設置しています。笑顔によって生まれた寄付は50%を能登半島地震の義援金にします。
残りの50%は町に飛来する渡り鳥「ブッポウソウ」の巣箱設置費用に使います。ブッポウソウは巣を作っていた木製の電柱が減るなどして、生息数が大幅に減少したといわれます。巣箱はNPO法人西中国山地自然史研究会のメンバーが町内の木材を使って作ります。設置を通じて生物多様性の保全に貢献したいと考えます。
辻 ショッピングセンター以外の場所はカメラ端末に加え、鉄道玩具「プラレール」を置いています。スマイラルが笑顔を検知すると、近距離無線通信「Bluetooth(ブルートゥース)」でプラレール内の電池に信号を送り、プラレールが3秒間走ります。自分たちの笑顔が社会や地域の貢献につながることを、笑顔になった人たちに分かりやすく可視化するための工夫です。