メタバースを「空間の仮想化」と表すなら、Web3.0は「価値の仮想化」を実現する次世代の金融インフラと言えます。一般的に、デジタル上で価値を表現したり、その価値を交換したりするには、金融機関などの管理者がいて実行できますが、Web3.0では管理者や仲介者などを介さず個人同士でやりとりが行える、新しいインターネットの在り方です。ウェブの変遷を見ると、Web1.0がホームページなど一方向のウェブを指し、Web2.0がSNSなど双方向のウェブ、Web3.0はWeb2.0に「保有」という概念が追加されたイメージです。その「保有」や「交換」を可能にしたのが「ブロックチェーン」と言われる技術。ブロックチェーンとは、特定の事業者が取引データを一元的に管理するのではなく、ネットワーク上の複数の参加者が分散して、データを管理する仕組みです。複数人が分散しデータを保持しているためデータ消失の恐れがなく、改ざんも極めて困難です。実際、アートや金融など多岐に渡り活用されており、Web3.0の事業展開や投資などグローバル企業の参入が進んでいます。国としても経済産業省の大臣官房に「Web3.0政策推進室」を設置し、成長戦略として力を注ぎ始めています。