不登校の高校生や中学生に自分の居場所を見つけてもらいたいという思いで2022年5月に設立した団体で、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した不登校生支援事業を行っています。団体の所在地は広島市南区ですが、拠点はメタバース上で、臨床心理士や高校教諭、弁護士ら取り組みに賛同してくれた約20人が全国から集まり、活動をしています。
メタバースを活用した不登校生支援事業を始めるにあたって、私が立命館大学大学院のテクノロジー・マネジメント研究科で学んでいた22年1月に、メタバースプラットフォームの一つ「VRChat(ブイアールチャット)」を体験したことが契機になりました。VRChatとは、仮想空間で世界中のユーザーと交流ができるコミュニケーションサービスで、自分の分身であるアバターを通じて、多種多様な人たちとさまざまな体験を共有することができ、気がついたら私自身どっぷりとはまっていました。その中で、不登校で苦しむ高校生の少女と出会い、少女がメタバース内での時間を過ごすうちに自分の居場所を見つけていき、やがて復学するまでの過程を見ました。メタバースで出会った仲間に悩みを打ち明け、みんなに応援してもらえたことがとても励みになったようです。その少女から「私と同じような境遇にいる人のために、私に何かできることはないですか」と言われ、メタバースを活用した居場所支援プログラムを企画しようと考えました。