当社はスポーツ応援キャンペーン「勝ちグセ」を2008年に掲げ、これまでプロアマ問わず広島のスポーツ界を盛り上げてきました。その一環として、16年から「全国高校野球選手権広島大会」のライブ配信を開始。その視聴数の多さから学生スポーツのニーズの高さを実感し、それを他の競技でもできないかと考えるようになったのがきっかけです。
加えて、20年から新型コロナウイルスが流行し、試合会場への入場規制で無観客での大会実施が常態化する中、配信を希望する大会主催者のニーズとマッチしたことも、取り組みの後押しとなりました。
さらに21年、地上波放送ではリーチできない視聴者に向けて自社コンテンツを届けると共に、テレビとは一線を画した新規デジタルコンテンツの開発をにらみ、「デジタル局」が社内に新設されました。ユーチューブのチャンネル運営を通じて、ライブ配信や動画制作を数多く実施しており、そうした経験によって、ライブ配信の知識や技術面でのインフラが社内で整ってきたのも、サービス導入を推し進めました。
しかし、うまくいくことばかりではありません。人手が足りないという根本的な問題が残されていました。従来の作り方ではディレクターやカメラマン、技術や配信のスタッフなど1試合につき5人以上のスタッフが必要です。複数の試合が同時に進む学生スポーツの現場では相当数の人員が必要で、当時の体制では大会の配信は不可能でした。そこで、NTTスポルティクトさまから提案を受けていた「スタジアムチューブ」の活用を決め、学生スポーツのライブ配信を始めました。