わが社の最寄り駅でもある広島駅は、中四国最大の乗降客数を持つターミナル駅で、駅周辺の再開発が急速に進んでいます。持続可能な地域を形成していくため、広島駅の南・北エリアに、それぞれ一つずつ「エリアマネジメント団体」が発足し、地域の安心・安全・快適な環境づくりや、地域の価値向上を目的として活動しています。わが社は、2015年に発足した広島駅北エリア(通称:エキキタ)のエリアマネジメント協議会「エキキタまちづくり会議」の事務局として、地域の活性化にも取り組んできました。「持続可能なエリアマネジメント活動」を目指している中で、エリアマネジメント団体や活動の認知度向上、収益事業の構築による運営資金の確保、活動に参画する企業や個人のモチベーション向上などの課題が浮上してきていました。
2021年6月、かねてから資本業務提携している国内大手の航空測量企業「アジア航測」と定例会議を行う中で、地域の課題解決のための議題に上がったのが「デジタルツイン」にかかる機運の高まりを受けた「都市部におけるデジタルツイン構築」でした。2022年3月、国土交通省が主導するProject PLATEAU(プラトー)のユースケース開発事業「まちづくりのデジタルトランスフォーメーションの推進に向けた3D都市モデルを活用した社会的課題解決型ユースケース開発業務(都市計画・まちづくり:エリアマネジメント・ダッシュボードの構築)」を受託。この受託業務の遂行と並行する形で、わが社が有するまちづくりのコンサルタント技術とアジア航測が有するセンシング技術(航空機や車両に取り付けたセンサーなどを活用して情報を計測し数値化する技術)を融合させ、安心安全で利便性の高い社会の実現につながる“まちづくりのDX”を推進することを目的とした「広島駅エリア デジタルツインプロジェクト」が同月スタートしました。
※「デジタルツイン」…センサーなどから取得したデータを基に、建物や道路などのインフラ、経済活動、人の流れなどさまざまなフィジカル空間(現実空間)の要素を、サイバー空間(コンピュータ上の仮想空間)上に、双子のように再現したもの。将来の事象を予測できるシミュレーション技術の一つ。複数のコンテンツを重ね合わせ可視化することで、さまざまなサービス展開の試行が可能。