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インタビュー
株式会社プラス・ココ/代表取締役
沖村 和美(おきむら かずみ)さん
業務改善に最適なシステムを製作し、継続的かつ柔軟に企業を支援
――企業の業務効率化におけるコンサルに取り組もうとしたきっかけは?
 私はマイクロソフト社公認トレーナーとしてパソコンスクールで4年間インストラクターを務めた後、10年間大手通信会社の企画営業などを行う部署で、Excel・Accessを使いながら、随時変化する商品戦略や代理店手数料、顧客分析について、タイムリーに、瞬時に、結果を弾き出すシステム構築を、1人で担当していました。その中で、自分の技術で高評価を得られたり、周囲の方の笑顔や感動を生むことができたことに喜びを感じていて、零細企業から大企業まで多くの現場で蓄積してきたシステム製作のノウハウを今度は企業に向けて提供したいと考え、創業しました。
 当社の信念は「フルーガル・イノベーション(質素・倹約的な改革)」です。これは「今ある資産を活かす」「持続可能な解決策を生み出す」「価値を共創する」「機敏さを重視する」という意味で、ITにおいては「コストをかけずに情報・技術を活かす知恵」といえます。つまり、Excelなどの親しみやすいツールを人が活かすことにより、最少コストで最大限の目的をスピーディーに実現できるのです。また、当社の製作するシステムは「ノーコード・ローコード」のため、導入後もお客様で自由に機能を編集・追加できる点が当社の大きな特色で、これによって安心運用が行えています。保守についても「ノーコスト・ローコスト」で基本的には別料金が不要なので、多くの方が安心して簡単に長く使える、持続可能な業務改善を提供できています。
 さらに、システム開発の知識がなくても、自社の業務に合わせたシステムを簡単に作成できる、サイボウズのクラウドサービス「kintone」の導入支援も積極的に実施しました。企業の規模や業種を問わず、100社100通りの使い方ができ、工夫すればするほど費用対効果も上がっていきます。小さい初期投資で始められるスモールスタートが可能なため、「フルーガル・イノベーション」に最も近いDXツールと考えています。
 DXにおいてはさまざまな情報がデジタル化されますが、「kintone」やその他のデジタルツールで目的を達成できない場合は、高いお金を払って機能を追加したり目的達成を諦めたりしなくても、そのツールのデータを出力してExcelに取り込んでしまえば、自由自在に情報を扱えて集計・分析作業ができるので、目的を達成することが可能になるのです。
最低限の入力のみで納品書・請求書・売上集計を一括管理できるExcelノーコードコンテンツ『さくさくファイル「ココ・シート」』のイメージ図
――具体的な取り組み内容について教えてください。
 ご依頼いただいた企業とはシステム完成まで伴走型で取り組んでいます。まず最初にヒアリングを行い、当社では基本的にExcel、Access、kintoneの3種を取り扱いますが、どのツールを使うのが最適なのか、そのツールでどのようにシステムを構築していくのかをご提案した後、企業側の担当者とやり取りをしながらシステムを完成させていきます。もちろん、当社で扱うツールではない方が良いという場合はその旨をお伝えします。また、企業規模や、実際にシステムを使う人のパソコンスキルに合わせて提案することも心がけています。パソコンにあまり詳しくないのに、てんこ盛りの機能を入れても、使いこなせないのでは意味がないので、どこまでの機能を入れるかという調整も大事だと思っています。導入後に編集できるのが当社のシステムの特徴なので、もしスキルの高い人が担当になれば機能を追加して自社に合うよう変えていくことも自由にできます。また、パソコン関連以外にも、宅建士や簿記2級、FP2級などの資格を保持し、それらの知識を持ち合わせていることと、経理、労務、営業、広報など幅広い業務の経験を活かして、さまざまな企業に最適なシステムの形を提案できるのも大きな強みです。
お客様へExcelを使用した売上管理のセミナーを行なっている様子
――どのような課題解決が期待できるのでしょうか?
 まずExcel、Accessのオーダーシステムによってルーティン業務が自動化できるので、作業時間の短縮やミスの軽減につながります。例えば3時間かかるような作業を10分で終わらせることも簡単にできるので、そこで浮いた2時間50分をもっと価値のある業務に充てることができます。こうしたシステム製作には大きく分けて2パターンがあります。1つはまっさらな状態から目的の仕組みを作るもので、細かいルールが多くある給与計算や、工務店の特殊な見積もり作成などです。もう1つはすでに使っているシステムのデータを利用するもので、例えば飲食店の注文機器(POS)に蓄積されたデータを取り込み、細かい単位の売り上げ集計や前年対比をいつでも見られるようにする、あるいはトラックに搭載された運行記録機器からデータを取り込んで自社独自のレイアウトで運転日報を表示させるなどが挙げられます。
 一方、「kintone」導入支援の場合は、これまでのやり方や使ってきたシステムが不便なため「kintone」に移行するケースが多いですね。従来の問題点としては、利用中のシステムでは目的が実現できない、もしくは実現のためのシステム改修で費用や時間がかかるため手がつけられない、「これはExcel、これはWordで」とあれこれツールを使って不足分をバラバラに補うため業務が煩雑化して多重入力や多重管理が発生するといったものや、クラウドやスマホへの非対応がありました。そこで、複数ツールでの管理を「kintone」管理に一元化することでこれらの問題を解決し、業務のあり方を根本的に変革することを目指します。「kintone」でできないことも、ExcelやMoneyForwardなど他のツールを連携させることで補うことはできるし、何も機能を追加しなければ年間5万円程度で運用することもできます。ただ、システムの構築は俯瞰的に全体像を見られないと難しいですし、何を連携させるのが効果的なのかを私たちが考えてシステムを大きく作り込んでおいて、そこから追加していくのは企業側でできるように導入支援しています。
 引き合いが多いのは小規模事業者や中小企業で、業種は福祉・介護業、飲食業、建設業、運送業などさまざまです。規模やスピードに寄り添った親しみやすい業務改善をモットーにしています。当社はオーダーメイドシステムで、製作して導入したらそれっきりではなく、BtoBにおけるリピート率も50%以上あります。お客様の社外パートナーとして、継続的で柔軟な支援者として存在したいと思っています。
「kintone」を使用した顧客管理画面
――今後取り組みたいことは?
 2023年1月にコンサルティングパートナーとしてサイボウズオフィシャルパートナーに認定されました。サイボウズやパートナー同士のネットワークを活かしながら、お客様それぞれの業務改善に向けた最適解で、「kintone」導入支援サービスにより注力していきたいですね。さらには、専門家やパートナー企業と連携し、補助金を絡めるような商品化の準備を行い、より多くの中小企業さんのお役に立っていきたいと思っています。
サイボウズオフィシャルパートナー認定盾
株式会社プラス・ココ ホームページ:https://plus-coco.jp
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