広島県内の産学金官連携によりデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進する。

　2023年1月19日に「みんなで深掘る事例研究」シリーズの社風・風土編をオンラインにて開催し，56名の方々にご参加いただきました。
※当日のセミナー内容はこちらからご覧いただけます。（YouTubeへ遷移します。）

　今回の事例は，コロナ禍で打撃を受けた飲食店等を顧客に持つ，苦境の業務用エアコン市場において，「IoTを活用した空調稼働監視の新サービス立上げによって，新たなビジネスモデルと組織風土変革を目指した」取り組みでした。
　IoT機器でレンタルエアコンの稼働状態を把握（データを取得）することにより，
(1) 顧客にとっては，稼働状況に応じたコスト削減，
(2) 自社にとっては，出張コスト削減及び中古エアコンの適正な査定による販売事業の伸長，
(3) 社会にとっては，使えるものを長く使用することによる廃棄エアコンの抑制，
という三方良しの戦略が語られました。
　また，新サービス開発において，支援機関など外部組織を活用しながら，社内横断プロジェクトでオウンドメディア（※1）を立ち上げるなど，若手社員意見の積極採用で社員の主体性が向上する様子など組織風土が変わっていった様子も伺える内容でした。
　
　事例の深掘りでは，「リモコンというありふれた技術をネットワークに繋げる事で顧客や自社の課題を解決できないか」という発想をきっかけに，結果的にIoTにたどり着いたというお話でした。ITありきではなく，戦略ありきで新サービス開発に至ったという経緯が印象的でした。
　新サービス開発においては，支援機関との外部連携に加え，会社設立時（2009年）から異業種交流会を立ち上げて，多様な人材と相互の経営課題討議をされるなど，昨今注目されているオープンイノベーション的な手法を当時から実践されていた事に驚きを感じました。更にそれが社内プロジェクトのモデルになったというお話に，外部との交流が組織変革の重要なファクターになり得るという事を実感頂ける内容だったのではないでしょうか。
　
　実施後のアンケートでは「中小企業でも熱意があればここまでできるという元気を頂けた」，「社員を巻き込んで取り組まれている姿勢に大変良い刺激を頂きました」，など，社長の熱意に刺激を受けた方が多くいらっしゃった様です。
　また「DXに限らず新規事業や社員育成などの参考にもなる内容でした」など，テーマの「戦略」「組織」「DX」の相互連携と取組み方の参考にして頂ける内容だったのではと思います。
　
　DX推進コミュニティでは今後も様々な業種，テーマのセミナーを予定しています。皆様も是非コミュニティへご加入ください。ＤＸ推進コミュニティメンバーへの加入申込みはこちらです。

※当日のセミナー内容はこちらからご覧いただけます。（YouTubeへ遷移します。）

（※1）オウンドメディア
企業や組織自らが所有・運営し、顧客や消費者と直に接することができる，自社のウェブサイト／ブログ，自社発行の広報誌やパンフレット等の情報メディア。独自のコンテンツがメインとなっているにもかかわらず情報発信にコストがかからないのが特徴。