本文へ移動
インタビュー
HIROSHIMA ITALIAN AO/株式会社ラグドール 代表取締役
沖土居 恵さん (おきどい めぐみさん
二次元コードを使用した決済システムで、非接触でミスのないより良いサービスを提供
――レストランのサービスにDXを取り入れることになったきっかけを教えてください。
 新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけで、二次元コードを使った非接触のオーダーシステムを導入しようと思いました。それまでにも、紙のメニュー表だとメニュー変更のときにすべて作り直さなければいけないので、なんとかならないか検討していたのです。私が出産で現場にいられなかった時期もあり、私が不在のときや、スタッフが少ない日にもスムーズに対応できるシステムが必要だと感じていました。
二次元コードを使った非接触のオーダーシステム
――二次元コードを使用した決済システムとはどのようなものなのでしょうか。
 当社ではリクルートの「Airレジ」というシステムを導入しています。まず、お客様が来店されたら、テーブルごとに二次元コードを発行してお渡しします。お客様がその二次元コードをご自分のスマートフォンで読み取ると、メニュー一覧が表示されるので、そこからお好きなものを選択して注文していただけます。注文がキッチンに届いてお料理をお出ししたのち、お支払いはクレジットカードを選択していただければ、その場で決済が可能です。このシステムがあれば、お客様は非接触でよりスムーズなメニュー選びと決済が可能になります。スタッフにとっては、オーダーミスやレジ打ちのミスがなくなり、伝票も紙のメニュー表も不要になりますから、業務をかなり簡略化できます。特にミスが減ったことは、お店にとっても大きなメリットになりましたね。来店者や利用金額の管理と、「食べログ」や「ぐるなび」などのサイトを通した予約管理もできるので、とても重宝しています。
オーダーをスマートフォンから
―DX化によって、運営上どのような変化がありましたか?
 スタッフの業務ボリュームが減った分、より行き届いたサービスができるようになりました。忙しい日には、オーダーや決済のたびにスタッフが走り回っていたのですが、常に落ち着いて接客できるようになり、空いているお皿があればすぐに片付けるといった細やかな気配りが可能になりました。また、サービスに必要な最低人数も半分ほどに減ったので、コロナ禍でお客様が少ない日にはアルバイトさんの数を減らすなど、運営を最適化することができています。さらに大きな効果を実感しているのが、クラウド会計によってタイムカードや銀行とも連携することで、給与の自動計算ができるようになり、お金の流れが見える化されたことです。今まで税理士さんにお任せして、年に1度の決算のときに経営状況を説明してもらっていたのですが、その都度どのような状況なのか自分で確認し、コントロールできるようになりました。状況に合わせた人件費や仕入れの見直しも可能なため、より健全な経営ができています。
――二次元コードを使った決済システムを導入した際に、苦労したことはありましたか?
 しっかりとしたマニュアルがあるので、特に難しいことはありませんでした。特に若いスタッフにとっては操作も簡単で、あっという間に慣れていました。ベテランのスタッフになると慣れるまで少し手こずっていましたが、1度だけシステムエラーがあったときに、紙のメニュー表でのオーダーの取り方を即座に若いスタッフに指導して、頼りにされていましたね。システムを導入して思うことは、緊急時の対応などの管理をスムーズにするために、できるだけ同じ会社のサービスに一元化したほうがいいだろうな、ということです。当社では以前から専用のアプリも導入しており、来店したお客様が二次元コードを読み取るとアプリをダウンロードでき、来店ポイントを貯められるようにしています。他社さんでよく導入されているLINEのサービスも始めたのですが、すでにアプリ会員様が数千人単位でいらっしゃるため、引き続きアプリをメインにしています。あまりいろいろなツールを使うようになると管理が大変なので、今後、食材の在庫が一定数を下回ったら自動的に発注されるような在庫管理システムも導入したいのですが、できればリクルートさんなどで統一できたらと考えています。
専用アプリも、お店に置いてあるチラシから二次元コードでインストールできる
――二次元コードを使用した決済システムではどのくらいの費用がかかっているのでしょうか。
 初期費用が5、60万円程度で、月々の使用料はメニューの訂正などに使うハンディの台数によるのですが、当社では2万円ほどですね。ただ、これによってスタッフの残業をなくす働き方改革や人件費の最適化ができることはもちろん、人気のメニューやそうでないメニューが明確にわかることで、仕入れの調整やメニュー開発に反映することができるので、コストがかかり過ぎているという感覚はありません。今後、在庫管理システムが導入できれば、職人はより料理に集中できるようになりますし、電話対応に紐づけられるものがあれば、ホールスタッフはさらにご来店中のお客様対応に専念することができるはずです。これからも良いシステムがあれば積極的に導入し、広島食材にこだわったイタリアンをより多くのお客様に楽しんでいただきたいと思っています。
TOPへ戻る