眼科医の数は、県内の中山間地域や島しょ部において非常に減少しています。中山間地域では開業医も少なく、基幹病院においても都市部から非常勤で医師が派遣され、常駐していないのが現状です。目の不安や悩みを抱える高齢者が多い地域にもかかわらず、専門医がいないという背景を受け、広島大学病院では早くから眼科の遠隔検診を試行していました。機器開発に長けた先生が複数在籍しており、専門の装置を開発製造する会社を立ち上げた先生もいるほどです。また、広島大学では海外から学びに来る学生も多く、大学で博士号まで取得した医師たちが母国に戻って相応のポジションを築き、広島大学病院と連携を取る場合があります。特に日本に対して親和性を持っているインドネシアとは共同で色々なプロジェクトを進めており、その中のひとつに遠隔診療の取り組みがあります。海を越えての遠隔診療のノウハウ、さらに機器開発などの要素が合わさり、満を持して現場での遠隔検診が試験的に始まりました。