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インタビュー
(写真左から)
広島県立広島叡智学園/PTA会長
小山田 成実 (おやまだ なるみ) さん
校長
福嶋 一彦 (ふくしま かずひこ) さん
元PTA会長
中谷 哲士 (なかたに てつし) さん

離島の全寮制中高一貫校で、PTA執行部からの情報発信にデジタルを活用


―PTA活動にデジタルを取り入れたきっかけを教えてください。
中谷さん 大崎上島町にある広島叡智学園は、2019年に開校した全寮制の中高一貫校です。生徒は全国から集まり、定員は中学が1学年40人、高校からは海外からの留学生も含めて1学年60人です。アクセスは船のみという離島であるため、PTA運営にはデジタルの導入が必須でした。


―必須だった理由は?
 開校当初、PTAではコミュニケーションツールを導入していませんでした。さらに、コロナ禍の影響もあり、全国に住む保護者が一堂に会する機会がほとんどなく、保護者から学校に「PTAは何をしているのか分からない」「予算の使い道はどうなっているのか」といった問い合わせが入るようになりました。このような問い合わせによる学校の負担を軽減するとともに、PTAの活動内容をより明確に保護者に伝える必要性を感じ、デジタル技術を活用した情報発信をPTA執行部で検討し始めました。
 その結果、まずGoogleドライブを導入し、執行部内でのファイル共有や議事録の保管に活用しました。その後、PTA用アプリ「Miley(マイリー)」を導入しましたが、2023年に、より使い勝手の良い「BAND(バンド)」に移行しました。


―BANDはどのような用途に活用されていますか。
中谷さん 主な用途は、PTA執行部からの情報発信です。学校での出来事や連絡事項、そして毎月オンラインで開催される執行部会の議事録を公開しています。議事録の既読率は非常に高く、約90%に達しています。PTAは任意加入ですが、留学生世帯を含めて多くのご家庭が加入しており、 PTAに加入された保護者の大部分(現在278名)がBANDに登録しています。

BANDの画面。議事録はファイル添付で共有されます。


―BANDでは、保護者同士のコミュニケーションも可能ですか?
小山田さん BAND内では、さまざまなグループを作ることもできます。各部活動の保護者ごとのグループでは、メンバー同士が「トークルーム」を通じて気軽に情報共有やコメントのやり取りが行われています。
 なお叡智学園では学校から保護者への連絡や情報発信もデジタル化されています。主に国際バカロレア認定校で使用される「マネージバック」というツールが使われており、本校も認定校です。このマネージバックは少し堅苦しい印象があって、学校生活の中でも、寮生活やイベントの様子などのカジュアルな内容を伝えるにはBANDの方が適していると感じます。学校からPTA執行部へ依頼があり、BANDを通じて情報を公開することもあります。例えば、修学旅行の様子を画像とともにBANDで公開した時は、「子どもたちの表情を見ることができてうれしい」「様子がよく分かって安心です」と保護者から大好評をいただきました。こうしたデジタルツールの活用によって、保護者から学校への問い合わせも減ったと聞いています。

卒業証書授与式の様子を配信。パソコンでもスマートフォンでもアクセスできます。




―その他にも、デジタルを活用した取組はありますか?
中谷さん BANDとともにGoogleドライブも活用しています。発言があまり得意でない保護者でも意見を表明できるように設けた「目安箱」は、Google フォームを活用して他の保護者には投稿内容が見えないように配慮しています。この目安箱へのリンクはBAND内に設け、気軽に意見を寄せることができるようになっています。投稿内容は執行部員だけが確認することができ、「いつも色々な情報をありがとうございます」といった言葉もいただいています。

小山田さん BANDの 「参加者募集機能」も非常に便利です。本校では学級役員のような組織は設けず、例えば半年に一度の「Unit替え(寮の部屋替え)」の手伝いや、運動会の撮影係など、イベントごとにサポートメンバーを募集しています。この際、BANDの「参加者募集機能」を活用することで、効率的に参加者を募ることができます。また、締め切り後はBANDの機能を利用して、簡単に応募者のみでトークルームを作成することができます。スマートフォンから手軽に申し込みができるため、多くの方が積極的に応募してくださっています。日頃から情報発信をしているので、「タイミングが合えば私も手伝いたい」と思ってくださる保護者が多いのかもしれません。


―開校当初からデジタル化に取り組まれている広島叡智学園さんならではの工夫や思いはおありですか。
小山田さん 実は個人的には、オンライン会議や文字だけのやりとりだけでなく、顔を突き合わせて話すことも好みです。デジタルツールは非常に便利ですが、できるだけ集まる機会も設けたいと思っています。

中谷さん 最近ではPTA総会をオンラインで開催する学校も増えているようですが、本校では、多くの保護者が集まる学校行事に合わせてリアルで開催しています。この学校行事とは、隔年開催されている体育祭と文化祭です。子どもが活躍する姿はぜひ見に行きたいので、そのタイミングに合わせてPTA総会を開催しています。


―デジタル化とともにリアルの場も大事にされているのですね。では最後に、今後の展望をお聞かせください。
小山田さん 現時点では最適な形でデジタルツールを活用できていると思っていますが、お子さんの卒業と同時に親御さんもPTAを卒業されます。卒業後も応援してくださる存在なので、例えばPTA準会員のような形でつながりを残し、周年事業のお知らせやテレビ放映・記事掲載の情報などを共有できればと考えています。デジタルツールを通じてつながりを維持することができれば、卒業生の親御さんにも喜んでいただけるのではないでしょうか。
広島叡智学園PTA執行部 取組
2020年から準備を始め、「Googleドライブ」を導入
2021年2月「Miley」「Zoom」を導入
2023年12月「Miley」を解約し、「BAND」に移行
 
広島叡智学園ホームページ
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