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インタビュー
(左から)
こころ自治会/社会福祉部 副部長
 森田 信吾 (もりた しんご) さん
株式会社CocBan
 山﨑 陽介 (やまさき ようすけ) さん
こころ自治会/総務部 部長
 高井 謙吾 (たかい けんご) さん
総務部 副部長
 吉本 将 (よしもと まさる) さん


地域の大学院生が開発した電子回覧アプリを活用しながら一緒に育てる


―電子回覧アプリ「CocBan」(コクバン)を取り入れることになった経緯を教えてください。
吉本さん:自治会の仕事の負担軽減を考えたことが発端でした。執行部はもちろんですが輪番で回ってくる班長でも、役員会への出席、班内の集金・告知・回覧板管理などの仕事を1年間担います。そうした負担を理由に退会者が増えてしまうと、「みんなで協力してより暮らしやすい町を維持する」という自治会の根底が揺らいでしまいます。そんな状況を改善できないかと考えていた時に、広島市立大学の学生が開発したアプリのモニターに協力してほしいという打診をいただきました。


―山﨑さんがCocBanを開発した意図と、こころ自治会との連携を希望した理由は?
山﨑さん:広島市立大学情報科学研究科のグループでは、地域課題の解決につながるシステムづくりに取り組んでおり、その一環として、自治会や町内会向けの掲示板アプリ「CocBan」(コクバン)を開発しました。このアプリは既に別の自治会で導入されていたのですが、1,600世帯という市内でも有数の規模を誇る自治会で使ってみてもらうことで、ユーザー規模が拡大した時のバグや不具合、問題点などを精査したいと考えてお願いしました。2024年10月からは株式会社CocBanとして起業して、自治会の皆様とブラッシュアップを進めてきました。


「地域の意見を反映し地域と共に育っていきます」というキャッチコピーを掲げた
株式会社CocBanのホームページ
https://www.cocban.com




―どのように導入されましたか?
吉本さん:紙の回覧は管理する役員や班長の手間だけでなく、今後住民の高齢化が進むにつれ隣に届ける負担が増加することが懸念されます。また回覧に時間がかかることによって情報が古くなるという課題もありました。そこで二次元コードを回覧してCocBan への登録を呼びかけ、2024年度6月から電子回覧板として試用開始しました。紙回覧と併用しながら、回覧する紙の情報をスキャンしたPDFデータをCocBanにもアップする運用としました。
登録は電話番号・メールアドレス・パスワードなどの入力不要で氏名のみ。グループ管理者はグループメンバーの既読を確認できる。




―登録状況はいかがでしたか?
髙井さん:世帯単位ではなく個人単位なので、ご夫婦やお子さんでもスマホを持っていれば登録できます。しかし、導入当初の2024年6月の時点で約1,600世帯6,000人のうち、300人程度の登録に留まっていました。ところがある日、急に登録希望者が増える出来事があったんです。それは、団地内で熊の出没情報が報告されたことです。熊を目撃された方が役員である私に報告してくださり、その情報をすぐにCocBanに投稿しました。電子回覧ならではの即時性と一斉告知のメリットが最大限に活きた事例になりました。
  その後、「熊情報の口コミを聞いて登録しようとしたら二次元コードの期限が切れていた」という声も寄せられたため、山﨑さんにお願いして読み取り期限を延長したり無期限に変更してもらったりして何度か回覧し直しました。また10月からの3ヶ月間は毎月説明会を開催し、登録を呼びかけた結果、2025年3月現在で登録者数は約1,400人になりました。



―他にも自治会の意見や要望を反映したことがありますか?
山﨑さん:熊の目撃情報のように、役員以外から寄せられた情報も即時共有できるよう、「意見箱機能」をつくりました。その他には、集会所などの「施設予約機能」、災害時用の「安否確認機能」、町内の清掃などに参加するとポイントが貯まる「イベントチェックイン機能」などを実装しました。「自治会費支払い機能」については、年間契約金の中に手数料を含んだ形で実現できるように取り組んでいるところです。
自治会の意見を取り入れながら、より使いやすく有用性の高い機能を追加している。




―導入してみていかがでしたか?
森田さん:お恥ずかしい話ですが、私はこれまで地域のことは妻に任せきりで、回覧板が回ってきても私は見ないまま、妻が確認して隣の家に回していたのです。2025年度の役員になって初めてCocBanに登録したんですが、CocBanでは自分のスマホに直接情報が届くため、リアルタイムで地域の情報を知り、関わることができます。家族みんなで情報共有ができるCocBanのメリットを改めて地域の人に伝えたいと思いました。


―今後の展開としては、どのようなことを考えていますか?
吉本さん:2025年度からは、年間90,000円のアドバンスプラン利用料を自治会の総務予算でまかない、いろいろな機能を活用していく予定です。まずはアンケートで紙回覧希望者数の実態を把握し、CocBanへの一本化を推進します。そのためにイベントチェックイン機能を地域の商業施設のイベントなどと連携させて、ポイントを貯める楽しさを提供して登録者数を増やす取組を計画しています。自治会HP管理との連携など、まだまだ効率化できることはあると考えています。山﨑さんは大学を卒業しますが、株式会社CocBanとしてサポートを続けてくださる予定です。このwin-winの関係を、より暮らしやすい町づくりに活かしたいと思います。 


こころ自治会 取組
2024年 広島市立大学と意見交換しながらのCocBanの試用を決定
   同6月 電子回覧として運用開始
2025年 意見箱機能、施設予約機能、イベントチェックイン機能を運用予定
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