第4回事例研究会(製造業編)
守りのDXから攻めのDXへ! ~効率化を目的に進めたデジタル化が圧倒的な強みに育つまで~
〇セミナー後記(動画)
2025(令和7)年1月15日(水)に第4回事例研究会「守りのDXから攻めのDXへ!~効率化を目的に進めたデジタル化が圧倒的な強みに育つまで~」をハイブリッド形式で開催しました。
※当日のセミナー内容はこちらからご覧いただけます。(YouTubeへ遷移します。)
1 概要
本研究会では、講師による製造業界の現状と課題の説明、事例企業による取組内容の発表、講師による事例のポイント解説を実施した後、会場参加者にタブレットを使って生産管理システム、現場帳票システムを実際に操作していただきました。
2 製造業界の現状と課題について
まず、製造業の事業者が現在感じている課題として、「人手不足」「原材料費、エネルギー価格などの高騰」について、次に、将来の課題として、「需要の変化への対応」「新しいデジタル技術や概念への対応」についての説明がありました。
対応としては、自社の業務課題や企業規模等に合ったデジタルの活用を進めることで、生産性向上や価格交渉力向上、販路拡大、受注促進などを図っていくべきと説明されました。
3 事例企業の取組内容について
事例企業による取組内容の発表では、株式会社ハーベストの岩田社長から、デジタル化に取り組んだきっかけとDX取組経緯、導入した個々のデジタルツールの概要、利点、効果についての説明がありました。具体的には、生産管理システム、3DCAD、現場帳票ソフト、ノーコードツール、営業支援ツールについての紹介がありました。岩田社長から、これらのデジタルツール導入を通じて「社員の一生懸命が報われるようにしたい」という強い思いを話されました。
デジタル化への取組効果としては、「図面などの情報を探す手間の削減」「生産進捗状況、生産余力、発注漏れなどの把握による納期遵守の徹底」「強化された設計能力を活かした提案型営業や新しい業界への販路拡大」「不具合報告や改善提案の促進による品質改善サイクルの活発化」が挙げられ、一連の取組が、「売上は倍以上、残業は半分以下」という大きな成果につながっていると話されました。
4 事例のポイント解説について
続いて、講師と岩田社長との対話形式で、事例のポイントである効率化と売上向上の両方がデジタル化で実現できた理由や、取組における苦労と工夫について解説しました。
また、「デジタルを導入するだけではなく活用するためには、社員自身が楽になるビジョンを社員と共有し、前向きに取り組んでもらうことが重要であること」、「そのために社長自らが率先垂範することもあったこと」、「最初に導入した生産管理システムは自社の業務にマッチしておらず失敗したが、その反省を活かしてすぐに現在の生産管理システムへ切り替えたことで、デジタル活用の歩みをさらにスピーディに進めることができたこと」などが話されました。
「現状維持は後退。だから変化への挑戦をしている」「人は知らないことを考えることはできない。だから社員の思考をレベルアップさせるためには情報を見られるようにしていく必要がある」という社長の言葉が印象的で、具体的なデジタルツールとともに、社長の思いや戦略、社員への心理面への働きかけなど幅広い学びが得られた事例でした。
5 デジタルツール体験会について
デジタルツール体験では、まず生産管理システムについて、受注案件の納期や進捗の管理、設備や人員の自動割付、工程実績の記録による原価算出を実際に操作しながら体験していただきました。続いて、現場帳票システムについては、現場からの不具合と再発防止策の報告作業を体験していただきました。
実施後のアンケートでは「社長の考え・ポイントを聞いて心構えを学ぶことができた」「導入者が自ら実践して伝えるところに感銘を受けました」「変化への挑戦は、思わぬ成果が得られるものという点が大変参考になった」などのコメントがありました。
6 最後に
事例研究会は、2025(令和7)年2月までに残り2回の実施を予定しております。幅広い業種の方にとって参考となる事例講演を予定していますので、ぜひご参加ください。詳細が決まり次第、本サイトトップページの「新着情報&お知らせ」欄、及びメールマガジンで告知します。
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