6、7年前に、機械の稼働率を上げるために、IoTで製造工程の見える化をしようと思ったのが始まりです。機械をすべてLANでつなぎ、稼働率をディスプレイで見えるようにしました。私が外にいても、スマートフォンで稼働率のガントチャートを見られるようにしたのです。そうすることで、生産性が30%向上し、収益率の向上やそれまで以上の短納期化が実現しました。稼働率を数値化することで、現場の職人に「もっと数字を上げたい」という心理が働いて、PDCAサイクルを工夫するようになったのです。それによって職人たちの技能も向上し、国家技能検定に合格した職人も何人かいました。業務効率化によって一度は高収益モデルができたのですが、そのうちに頭打ちになり、伸びなくなったのです。
そこで、地元の府中市の産官学連携により、近畿大学とAIで共同研究をするというお話に乗らせていただきました。当社に過去5年ほどのIoTのデータがあったので、これが使える、というお話になったのです。
※マシニングセンター…プログラムで動く加工用の機械
※ガントチャート…作業工程や進捗状況を管理する為に使用される図表