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インタビュー
株式会社大和屋酒舗/代表取締役
大山 晴彦(おおやま はるひこ)さん
LINEやYouTubeの活用でお客様に訴求し販路を拡大!
――LINEやYouTubeで情報発信しようと思ったきっかけを教えてください。
 コロナ禍で来客が激減する中、リアルではない別の方法でお客様とコンタクトを取る方法が求められていました。YouTubeなどのデジタルコンテンツは今や皆さんの生活の中に根付き、私たちもこれを活用できないかと考えたのです。YouTubeを本格的に始めたのが2021年の1月からで、当時は酒販店でYouTubeを活用しているところが少なく、その点も強みになるのではないかと考えました。幸いにも2020年8月からスタートした公式LINEには約6000人の登録者数がいたので、こちらのLINEアカウントを使ってYouTubeへの導線を作り、YouTube登録者の拡大を図りました。コロナ禍にあってほかの小売業の方たちとタッグを組み、八百屋や魚屋など専門店発の情報を集約し、各店舗のECサイトとリンクしたバーチャル商店街といった活動も行っていたためメディアに取り上げられる機会も多く、店を知っていただく機会につながったと考えています。弊社の広報担当とデザイナーが中心となって作業を行い、少しずつ登録者数が伸びていきました。
システム大和屋酒舗のYouTubeチャンネル「大和屋タシナミSAKEチャンネル」で投稿している人気の動画
――どのような内容を発信していますか。また、ターゲット層についても教えてください。
 人気銘柄の紹介や、お歳暮や父の日といったイベントの際のおすすめ商品紹介、季節の新作紹介といった内容です。ターゲットにしているのはお酒が好きで興味のある方、お酒選びに迷っている方、日本酒・焼酎・ワインなどのメーカーや生産者、すでに弊社のことを知っているお客様に向けてなど、さまざまです。昨今はお酒に対して深い知識や興味を持つ人も多く、入手しづらい銘柄や希少と呼ばれる銘柄に匹敵する味わいを持つお酒を紹介した動画は、2万5000回近くの再生回数を記録しました。個人でお酒について発信している人も多くいますが、“酒販店がおすすめする”という点が、ある程度の情報の信用度につながったのではと考えています。また、LINEやYouTubeは利用者の年代が比較的幅広いコンテンツだと考えていますが、若い世ではInstagramやTwitter、TikTokが人気です。お酒を購入するメイン層の40~50歳代前後の男性はFacebookを利用している人も多いですし、どの層をターゲットにするかで活用するコンテンツも変わってくるなと実感しています。
公式LINEでの情報発信一例
――情報発信をするにあたり、苦労した点や工夫した点を教えてください。
 最も苦労したのは、スタッフのスケジュール調整や時間の確保でした。動画制作には撮影、編集、配信とある程度の時間を要するので、メインの仕事を抱える中でいかに時間をつくるかが大変でした。コロナ禍で勤務調整を行っている最中でもあったので、配信の反応(視聴回数や配信からつながった売上)を見える化して協力を得られやすくし、できるだけ多くのスタッフに出演してもらうことで“会社の仕事である”という意識醸成を図りました。工夫した点は、どのようにしたら商品についてお客様に伝わりやすくなるか、セリフやカメラアングルについて試行錯誤したことです。弊社はもともとお酒好きが高じて入社した社員が多く、有資格者の昇給制度も相まって、唎酒師やソムリエ、SAKE DIPLOMAといった資格を持つ者が多いのです。実店舗での商品紹介も「詳しくてわかりやすい」と好評をいただいていたので、その強みは動画でも十二分に発揮できたと思っています。
工夫して作られた動画サムネイル
――周囲の反響はいかがですか。また、事業に懸ける今後の思いをお聞かせください。
 「YouTube見ました」と声をかけてくださるお客様が非常に増え、認知度が上がって営業活動を行いやすくなりました。オンラインショップの注文やLINE登録者数も相乗効果で増えましたね。メーカーからも非常に喜ばれ、新規取り扱い商品の交渉が有利になったり、県内外の新規のお客様とのお取引も増えたりしました。メリットは色々とありますが、オフラインでのコミュニケーションにもつながったことが、一番大きいのではないでしょうか。売上に大きな差し障りを与え、いまだ収束の気配を見せないコロナ禍ですが、「新しいことをやろう、やらねばいけない」という動きを生んだのもまた事実です。私は何かひとつ事業を始める際に、「やっていなかったことにまずは気付く」「やれるように頑張ってみる」「ひとつ成果が生まれたら継続できるよう努力する」の3ステップを心掛けています。今回のYouTube活用もやっと成果を出せたところなので、今後はやり続けていくことが重要だと考えています。また、私たちは「量ではなく質の良いものを届けたい」という信念を持っています。これからも従来のやり方に固執せず柔軟な情報発信や営業方法を模索しながら、大切にしている芯の部分はぶれることなく、弊社の魅力を生かせるような店づくりを行っていきたいです。
株式会社大和屋酒舗 ホームページ:https://www.e-yamatoya.jp
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