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インタビュー
広島県立美術館学芸課長
福田 浩子(ふくだ ひろこ)さん

オンラインで美術館体験していただけます!
―デジタル技術を使った取組を教えてください。
 2018年度から当館ホームページで「バーチャルツアー」「バーチャルギャラリー」を展開しています。館内を360度撮影し、立体的な仮想現実空間をつくっています。「ツアー」では各フロアを実際に歩くように、「ギャラリー」では展示室に飾ってある作品を鑑賞できます。当館に関心を持ってもらい、実際の来館につなげようと取り組みました。
 また地元作家の作品について深く学べる「ウェルカムギャラリー」では、説明プレートに二次元コードを付けており、スマートフォンなどで読み込むと音声ガイドを聞くことができます。 
広島県立美術館HPで公開しているバーチャルギャラリー
コロナ禍で何度も臨時休館にせざるを得ない中、どのような新しい取組されたのですか
 休館中の202135月は、当館を忘れないでほしいとの思いから会員制交流サイト(SNSを活用したミニ動画「エア美術館」を作成しました。作品や解説などを撮影して1分前後に編集し、毎日1本ずつ計61本をツイッターなどで発信しました。
 また、不定期ですが、21年度からインスタグラムを使って「ライブ配信」も始めました。所蔵作品展や特別展を学芸員が解説しながら撮影し、配信をしています。 
インスタグラムを使ったライブ配信をする学芸員
どんな効果がありましたか
 デジタルコンテンツは広島県内の方はもちろん、全国や世界に発信することができました。
 また、オンラインで実施するイベントは、遠方の人や普段美術館に足を運べない方利用できるという点がメリットです
 館内の作品を見ながら参加者が自由に感想を述べる人気企画「対話型鑑賞会」や、所蔵作品展「中央アジアの刺繍(ししゅう)スザニ#乙嫁たちの手仕事」の展示作品の一部を同じ手法で制作するワークショップもオンラインで実施。SNSで参加者を募集したところ関東や東北、関西、九州などい地域から参加がありました
 県内の障害者を対象にした「みんなで楽しむおしゃべり鑑賞会」には7人が参加し、「鑑賞会で見た絵の本物がとても見たい」「他の人の考えが聞けたことが楽しかった」などと好評でした。2-3月に開催の日本伝統工芸展の子供ワークショップもオンラインで実施し、今年は小学生4が参加し、展覧会の会場にもその成果を展示する予定でした(コロナ対策のため開催中止)。
Zoomによる日本伝統工芸展子供ワークショップの様子
今後の展望を教えてください
 当館の展覧会や作品に関心を持ってもらえるよう、これからもデジタル技術を活用していきます。ただ、作品そのものの質感、サイズ感など、本物の迫力は伝えきれません。作品の魅力を真に感じてもらうには、やはり当館に足を運んでもらい、直接に作品と向き合っていただきたいと思います。「来館につながるDX」を目標に、これからもさまざまな企画を開催していきます。これからの広島県立美術館にもご期待ください。
広島県立美術館ホームページ:https://www.hpam.jp/museum/
広島県立美術館公式SNS:【フェイスブック】https://ja-jp.facebook.com/HiroshimaPrefecturalArtMuseum
            【ツイッター】https://twitter.com/H_pref/
            【インスタグラム】https://instagram.com/hiroshima_pref_art_museum
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