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2026年1月28日、広島県主催「DX×交流イベント『伝統を守りDXで目指す新時代の菓子販売経営』」を、みよしまちづくりセンターにて開催しました。
※当日のセミナー内容はこちらからご覧いただけます。(YouTubeへ遷移します。)

1 概要

 会場には26名の参加があり、県内の中小企業社長、商工団体関係者、IT専門家など、幅広い立場の方々にご参加いただきました。
 本イベントは、県内6地域で実施されるDX交流イベントの第5回として開催され、事例発表、講師によるポイント解説、支援制度紹介、交流会、個別相談会で構成しました。

2 事例発表及び講師によるポイント解説

 泉屋株式会社・立花社長より、社長が主導する身の丈に合ったDXの推進と、社員の自律性を育む組織作りについてご紹介いただきました。
● 伝統の承継と攻めのブランディング・販路拡大
 立花社長は2019年に事業承継により創業60年以上の老舗を継ぎました。伝統の味や品質を守る一方で、ブランドロゴの一新やパッケージデザインの現代化、地域連携による新商品開発といったブランディング強化を実施。さらに、ご自身の得意分野である販路拡大を積極的に行ってこられました。
● デジタル活用のきっかけ
 販路拡大を推し進める中で、注文から製造までの情報伝達にタイムラグが生じたり、正確な原価管理ができていなかったりと、社内の情報がバラバラな状態が課題となりました。
 また、受注増に対して生産や在庫管理が追いつかず、欠品や在庫過多が発生。さらに、社長が販路開拓で不在がちになることで社内コミュニケーションにも支障が出始めました。
 これらの課題を解決するには「デジタルを活用した情報の見える化」が不可欠であると判断し、社長自らが主導してDXに取り組む決断をされました。
● 具体的なデジタル活用
 「情報の見える化と共有」の方針のもと、以下の取組を実施されました。
・クラウドストレージによる情報共有
 商品カルテや支払い情報、見積書などを全社で共有。特に「商品カルテ」には原料や製法、出荷ロット、セールスポイントなどを集約し、社員が参照することで、品質管理やPOP作成を自律的に行える環境を整えました。
・チャットツールによるコミュニケーションコスト削減
 社長と従業員、あるいは営業と管理部門など、迅速な連携のためにチャットツールを導入。カレンダー機能で社長の行動予定も見える化し、不在時でもスムーズな業務進行を実現しました。
・受注アプリの独自開発による情報伝達の迅速化
 以前は配送先で受けた注文を、帰社後にFAXや電話の内容から転記入力しており、タイムラグやミス、機会損失の原因となっていました。
 そこで、社長自身のノウハウを元に、出先からスマホで即時入力できるアプリを独自開発。転記の手間をなくし、正確な生産計画を迅速に組めるようになったことで、欠品や在庫過多の大幅な削減に成功しました。
 これらのデジタル活用による業務効率化で、取引先数と売上の急増にも対応できる体制が整いました。また、以前は社長の判断を仰いでいた社員が、共有された情報を元に自律的に動くようになったとのことで、デジタル活用が組織文化までも変えている点が印象的でした。
● 立花社長からのメッセージ
 講演の最後には、次のようなメッセージが送られました。
・「失敗を恐れずチャレンジし、失敗から学び改善を続けること」
・「コストを抑えた現実的なデジタルツールを選ぶこと」
・「社員一人ひとりが自ら考える組織を目指すこと」
・「デジタル人材が確保できない中小企業こそ、社長自らが率先して取り組むこと」
● パネルディスカッション:成功要因の深掘り
 講師とのディスカッションでは、成功の背景について議論が深まりました。
・失敗からの学び
 販路拡大を優先しすぎた結果、生産管理が混乱した過去の失敗に触れ、営業と製造のバランスを図るためにアプリ開発などの改善を繰り返してきた経緯が語られました。
・トップの熱量と泥臭い運用
 システム導入時は社員からの抵抗もありましたが、「泉屋を残すため」という強い想いを伝え、社長自らがツールの指導を行うことで、徐々に前向きな姿勢を引き出しました。現在も専任担当者は置かず、社長自らが社員の声を吸い上げてベンダーと改善を進めるなど、「経営者が最後まで面倒を見る覚悟」を持ってDXを推進することの重要性が強調されました。
・標準化と人材活用
 商品カルテによる作業の標準化は、スポットワーカーへの的確な作業指示にも役立っているそうです。

3 参加者との質疑応答、交流会

 事例発表後には、登壇企業・講師・支援機関のIT専門家と参加者による交流会を実施しました。
 参加者は自社の課題を踏まえて立花社長へ直接質問したり、専門家へ気軽に相談したり、参加者同士で情報交換を行うなど、活発な交流が生まれていました。

4 ご参加いただいた皆様の感想

 アンケートでは、次のような声が寄せられました。
・「無料や安価なソフトを活用されるなど、実務に近いお話で大変参考になった」
・「他社の取組を自社と比較し、これからのアクションを考えるきっかけになった」
・「どの社長さんも自ら率先して行動されており、それにより社員の意識も変化していると感じた」
 次回の廿日市会場へお申し込みいただいた参加者もおり、他社の事例を自社に活かそうとする意識の高まりがうかがえました。

5 最後に

 DX×交流イベントは、2月20日(金)に最終回の開催を予定しています。
 幅広い業種の方にとって参考となる事例発表を準備していますので、ぜひご参加ください。今後の予定は広島県DX推進コミュニティのサイトをご覧ください。
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