2025年12月19日、広島県主催「DX×交流イベント『24時間稼働を捨てて売上1/3から挑んだ定時経営』」を、広島市工業技術センターにて開催しました。
※当日のセミナー内容はこちらからご覧いただけます。(YouTubeへ遷移します。)
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1 概要
会場には43名の参加があり、県内の中小企業経営者、商工団体関係者、IT専門家など、幅広い立場の方々にご参加いただきました。
本イベントは、県内6地域で実施されるDX交流イベントの第4回として開催され、事例発表、講師によるポイント解説、支援制度紹介、交流会、個別相談会で構成しました。
本イベントは、県内6地域で実施されるDX交流イベントの第4回として開催され、事例発表、講師によるポイント解説、支援制度紹介、交流会、個別相談会で構成しました。
2 事例発表及び講師によるポイント解説
株式会社津田製作所・津田社長より、デジタル専門人材が不在の中、デジタル活用に取り組み、定時経営や属人化の排除を実現した事例についてご紹介いただきました。
● デジタル活用のきっかけ
デジタル導入以前は、売上確保のために工場を24時間稼働させており、慢性的な残業や、勘と経験に依存した業務スタイルが常態化していました。また、計画順守率も低く、社員には大きな負荷がかかっていました。
こうした状況の中、津田社長は、「売上は大事だが、その前に社員の人生を豊かにすることが大事であり、それが持続可能な会社につながる」と考え、デジタルを活用した定時経営への転換を決断されました。
● 段階的なデジタル導入
「まずはできるところから」という方針のもと、以下の取組を実施されました。
・生産管理システム
同業他社での実績が多い、比較的安価なパッケージソフトを選択。導入後約5年間は、紙管理との二重入力やデータ活用の限定などにより、単なるデータの保管庫にとどまる苦労もありました。
・生産設備稼働記録システム
生産管理システム導入から4年後、広島県の支援事業を活用して導入。設備の稼働状況を自動取得し、モニター上で色分け表示することで状況が一目瞭然となりました。データが可視化されたことで、社員が自然とデータを見て分析・改善を行う意識が芽生えました。
・ビジネスチャットツール
営業、生産技術、製造など部署を横断した情報連携を、全てチャットツール上で実施するようルールを整備。順送りで業務を進める仕組みを構築したことで、「言った言わない」といったトラブルが減少し、属人化の排除が実現しました。
これら3つのツール活用により、生産計画遵守率39%向上、全社員の総残業時間81%削減、生産性33%向上、クレーム数81%削減といった大きな成果が示されました。
● 副次的な成果と組織の変化
定量的な成果に加え、当初想定していなかった定性的な成果も生まれました。多能工化による社員同士の助け合いや、休暇を取得しやすい職場環境が整備されたほか、指示待ちから自律へと組織文化が変化し、目標としていた「持続可能な会社」へと着実に近づいています。
● デジタル活用に時間を要した要因
現在は成果が現れているものの、振り返ると遠回りした部分もあったとのお話がありました。要因として「導入目的が社員に明確に伝わっていなかったこと」「成果を急ぎすぎたこと」が挙げられました。
一方で、「仕事が楽になった」と社員に実感してもらえるよう粘り強く続けたことが、成功の重要なポイントであると強調されました。
● 津田社長からのメッセージ
講演の最後には、次のようなメッセージが送られました。
・「DXは仕事を楽にするための手段であり、その目的を見失わないこと」
・「身近なツールを活用し、できることから小さく始めること」
・「デジタルやデータの価値に社員自らが気付くまで、焦らず待つこと」
● パネルディスカッション:成功要因の深掘り
講師とのディスカッションでは、成功の背景についてさらに議論が深まりました。
社員に一方的に指示を出すのではなく、自ら問題に気付き、改善を考えるよう促す重要性が示されました。具体的には以下の取組が紹介されました。
・会計データの幹部社員への開示
・将来の分析に備えた、可能な限りのデータ蓄積
・データは人を監視するためではなく、気付きを得るために活用するという姿勢
特に、データ化により意識が「人の監視」から「仕事や仕組みの改善」へ移ったことで、職員同士が前向きな議論を行えるようになった点は素晴らしい成果です。社員が前向きに取り組めるよう、心理面や雰囲気づくりに配慮してきた点は、参加者にとって大きな学びとなりました。
3 参加者との質疑応答、交流会
事例発表後には、登壇企業・講師・支援機関のIT専門家と参加者による交流会を実施しました。
参加者は自社の課題を踏まえて登壇企業へ直接質問したり、専門家へ気軽に相談したり、参加者同士で名刺交換を行うなど、活発な交流が生まれていました。
4 ご参加いただいた皆様の感想
アンケートでは、次のような声が寄せられました。
・「DXの具体的な進め方を知ることができた」
・「デジタル導入時に気を付けるべきポイントなどを話していただき大変役に立った」
・「DXやIT化の前の経営姿勢、経営環境改善が素晴らしい」
・「交流会で直接企業の方々とお話をする機会があり、支援の輪が広がると感じた」
また、当日紹介した相談窓口への問い合わせが寄せられるなど、参加者の中から実際に行動へ移す動きも生まれています。
こうした反応からも、本イベントが参加者のDX推進に向けた一歩を後押しする機会となったことがうかがえました。
5 最後に
DX×交流イベントは、今年2月までに残り2回の開催を予定しています。
幅広い業種の方にとって参考となる事例発表を準備していますので、ぜひご参加ください。今後の予定は広島県DX推進コミュニティのサイトをご覧ください。
幅広い業種の方にとって参考となる事例発表を準備していますので、ぜひご参加ください。今後の予定は広島県DX推進コミュニティのサイトをご覧ください。
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